2025年04月14日

ザイム真理教 森永卓郎

ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト 森永卓郎(もりなが・たくろう) 発行:三五館シンシャ 発売:フォレスト出版

 『ザイム真理教』という言葉は、『財務省』と、『オウム真理教』を合体させた造語なのでしょう。
 著者は、癌で亡くなってしまいました。
 著者は亡くなっても、本は残ります。そして、本は、読まれ続けます。
 もう終了してしまいましたが、NHKドラマ10、『東京サラダボウル』では、自殺して亡くなったという刑事が、この世に、『カケラ』を残します。事件の犯人を追い詰めるための証拠となるSDカードが、ジッポーのライターの中に隠してありました。SDカードは発見されて、犯人(警察官)を追い詰めるための証拠としての力を発揮しました。
 こちらの本も、それぐらいの強い意思がこめられた本なのでしょう。人は死んでも本は残ります。
 全体で190ページあります。これだけの文章量を書ける能力に感服します。かんぷく:感心して説得させられる面がある。
 本は、2023年(令和5年)に発行されて、2025年(令和7年)で32刷されています。よく売れている本です。著者は、2025年(令和7年)1月に病死されています。67歳でした。ご冥福をお祈り申し上げます

カルト集団:特定の教祖を熱狂的に信じる集団。被害者が出ます。

 現在の日本経済のありようについては、失望しかありません。
 これから先、日本の経済は衰退していくという暗い見通ししかありません。
 日本社会のようすとして、みんながみんな貧しくなるのではなく、格差社会です。富める人は富み、そうでない人は生活苦を感じながら日々を送るのです。
 国に頼れないから、個人で対策・対応を考えます。
 そのヒントをこの本は与えてくれるのではないかという期待をもって読み始めます。

『第1章 ザイム真理教の誕生』
 現在の財務省の前身である大蔵省のことが書いてあります。
 主従関係、隷属関係で成り立っていた組織とあります。
 下部組織は、絶対服従だったそうです。民主主義国家ではありませぬな。

 ひどい話がいろいろ書いてあります。
 異常で異様な世界です。
 国の組織だけではなくて、都道府県・指定都市、市町村の組織も似たり寄ったりなのではないかと想像は広がります。
 接待で、物事が決まります。官民間の接待関係もあるのでしょうが、本では主に、官官接待について書いてあります。接待費の原資は税金です。予算化されたお金を接待に使います。交際費なのでしょう。組織で働く人たちは、人のお金で飲み食いする人たちです。(ひどい)。
 ただ、それで、得をする人たちもいます。

『第2章 宗教とカルトの違い』
 「日本史」の話があります。
 鎌倉時代に誕生した、『宗教』の話です。
 うそだとわかっていて、うそをつく。うそをつくことで、庶民の苦痛をやわらげることができる。念仏をとなえれば、極楽浄土へいける。
 じっさいは、人が死んだら、『無』になるだけで、極楽浄土や天国などにいけるはずもない。あの世なんて存在しない。宗教で描かれている世界観は、『虚構』だ。苦しむ庶民を救うためには、うそを信じさせてもかまわない。そんな話が書いてあります。

 信仰心をもたせるための手法です。
 『こういう行動をすれば、幸せになれる。天国に行ける』
 『こうしなかったら、不幸になる。地獄に堕ちる』
 
カルト:あなたには悪霊がついている。あなたは原罪をかかえている。不安をあおり、恐怖心を与えて、マインドコントロール(思考をあやつる。洗脳する)する。
 洗脳の手法として、「不退去」「退去妨害」「威圧」「模擬恋愛による心理誘導」「霊感商法」など。
 信者からお金を吸い上げる。(少額なら問題にならないが、大金になると殺人事件が起きたりもする)

 ディズニーランドの話、仲良しサークルのような財務省の中の雰囲気について書いてあります。その箱(組織)の中だけで通用する文化があります。

『第3章 事実と異なる神話を作る』
 (なかなか厳しい領域に言葉を突っ込む内容になっています)
 経済に関する記述は、一度読んだだけではわたしにはわかりません。
 あとは、もう、終わったことなのだなあという本の内容です。
 いろいろと、すったもんだがありました。
 これからもあるのでしょうが、読んでいると、本当の情報はどこにあるのだろうかと疑心暗鬼(ぎしんあんき。疑り深くなる(うたぐりぶかくなる)。不安になる)のです。

 財務省の説明には、意図的な意識の操作がある。(それが、著者がいうところの、『洗脳』なのでしょう)
 財務省が国民に言うところの、『日本は少子高齢化で、社会保障費が必要だから消費税を増税しないと国家予算が破たんする。』(などということはないという解説と記述が続きます。そうなのかと、納得できそうな記述です。数値の解釈、表示に、いろんなからくりがあります)
 アベノミクスの成否についても書いてあります。
 小泉政権下での非正規雇用の増加についてのコメントもあります。

『第4章 アベノミクスはなぜ失敗したのか』
 消費税の引き上げで、うまくいかなくなったと記述があります。
 読んでいるとなるほどと思えます。
 お国のいうことに従っていれば、平穏無事に暮らせると、従順にしている国民は案外、権力者たちにじょうずに利用されているのではないかという暗い気持ちになります。
 一部の富裕層と、多数のそうではない層ができあがって、二極化して、中間層が薄くなっているようです。
 たとえば、消費税率を下げるとか、なくすとかすると、景気は活発になるのでしょう。(勇気がいりますが……)
 
 コロナ対策のことも書いてあります。(正直、ひどかった)
 学校を全校休みにしました。全国民にマスクを配布したことなど、いくつか例示されています。
 日本国民は従順でおとなしいことを利用して、やらなくてもいいことまでやったのです。
 
 うそがあった森友学園のことも書いてあります。公文書の内容の改ざんを組織の上層部がやるなんて信じられません。指導する立場の人たちです。頭がおかしい。国と国民との信頼関係は終わりです。
 形だけを整えるという政治手法、行政手法です。(これから先、日本はどうなるのだろう。不安な気持ちが広がります)

『第5章 信者の人権と生活を破壊する』
 <宗教はウソをつくが、そのウソは信者に希望を与える……>
 <ザイム真理教は、信者(国民)に国家が財政破たんするという恐怖心を植え付け、増税を繰り返して国民の生活を破壊する>そんなことが書いてあります。う~む。警戒しなければ。
 読んでいて思うのは、あまりにも大きい組織に、一個人(いちこじん)は向かっていけない。
 なるようにしかならないこの世間の波を渡っていくためには、一個人として、たくましく生きていく。自分の方針をもって、自分を信じてやっていく。国という組織を頼らない。自立、自活するという思いです。

 日本経済が、平成時代の30年間、成長できなかった理由です。
 『急激な増税と社会保険料アップで手取り収入が減ってしまったから』(たしかに、低賃金が続きました。物価も安物販売で定着しました)

『第6章 教祖と幹部の豪華な生活』
 国家公務員の天下りの、「けしからんさ(常識外れ、道徳はずれ)」について書いてあります。
 定年退職をして退職金を受け取る。天下り先の企業を退職して、退職金を受け取る。ぼろもうけです。

『第7章 強力サポーターと親衛隊』
 みんなグル(わるい仲間)なのです。
 大手新聞社は、ザイム真理教の味方としての関係者なのです。
 表面上は、対立関係に見えても、裏では握手しているのです。
 相互に、利益をワケワケしているのです。
 大手新聞社は、財務省に忖度(そんたく。意図的に協力する。思いやる)した記事を書く。
 「それで何が悪い」という意識があります。自分たちが良ければそれで良しです。

 富裕層は、財務省の味方とあります。
 税金面での考察があります。読んでいて、なるほどと思います。

『第8章 岸田政権は財務省の傀儡(かいらい。あやつり人形、手先(てさき))となった』
 それでも、日本人は、ザイム真理教を信じ続けるのだろうかという問題提起があります。

『あとがき』
 ある国会議員が、将来の消費税の税率は、25%ぐらいになると答えています。(著者は、いずれ国民生活は破たんすると決めつけています)

 まるで、著者の遺言のような本でした。
 今の政府のやりかただと、国民は、死ぬまで働いて、税金と社会保険料を払い続けろ。働けなくなったら死んでしまえというものだと書いてあります。
 今年夏の参議院選挙は荒れそうです。  

Posted by 熊太郎 at 06:35Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2025年04月12日

三千円の使いかた 原田ひ香

三千円の使いかた 原田ひ香 中公文庫

 前々から読んでみたかった文庫本です。
 お金がらみの短編話が6本掲載されています。
 単行本は、2018年(平成30年)の発行で、文庫本は、2021年(令和3年)の発行で、2024年(令和6年)で25刷もされている、よく売れて読まれている本です。

 以下は、登場人物である御厨(みくりや)家の女性たちなどです。

御厨美帆:実家は、東京都北区十条駅から徒歩10分ぐらいのところにある。就職して、祐天寺(ゆうてんじ。東京都目黒区)でひとり暮らしを始めた。(貯金は30万円。う~む。少ない)。
 東京西新宿にあるIT会社で働いている。会社の規模は中堅。おっさん社員がいて、女性社員への蔑視(べっし。見下し(みくだし、差別))がある。宴会ではエロ話も出る。会社ではセクハラあり。(先日NHKニュースでとりあげられていた、「#私が退職した本当の理由」ということと同じ内容のものでした)

井戸(旧姓。御厨)真帆(美帆の姉。5歳年上):結婚する前は証券会社で働いていた。(貯金600万円ちょっと)。既婚。専業主婦。一人娘として、3歳女児の佐帆(さほ)がいる。こどもがいる幸せがある。
 夫の名前は太陽で、消防士をしている。月給23万円で高くはないが、公務員で収入は安定している。夫は、労働に関する考え方は古い。男尊女卑の意識がある。セクハラトラブルが起きたときは、女性にも責任があるという発言をする。

御厨智子(美帆と真帆の母親):習い事に熱心で向上心が強い。(貯金100万円弱)

御厨琴子(祖母):(貯金1000万円)

小田街絵(おだ・まちえ):御厨美帆の職場の教育係だったが、リストラされて退職した。44歳。母親と東京杉並区内にある大きな屋敷でふたり暮らし。未婚。お嬢さま。街絵は、母親が35歳のときに生まれたこども。

長谷川大樹:御厨美帆の彼氏。女性蔑視(べっし。差別する。女性を軽くみる)の考え方をもっていることがわかり、美帆の気持ちが彼から離れていきそうになっている。

南山部長:御厨美帆の会社の人事権をもったエロ上司


『第1話 三千円の使いかた』
 祖母の言葉、『人は三千円の使いかたで人生が決まるよ』で始まりました。
 
 いろいろと考察があります。
 自分という人間にとって大切なものとは。
家:自分がすむところ。終の住処(ついのすみか)。積立金や管理費がいる分譲マンションよりも一軒家がいい。新築でなくても、中古の一軒家でいい。
身体(からだ):健康な体
お金:生きていくために必要なもの

 これから自分は、どうやって生きていったらいいのだろう。

 100円貯金の話が出ます。
 お金の貯め方、増やし方のノウハウを教えてくれる短編集のようです。
 わたしも若い頃、100円ではありませんが、毎週1回郵便局のATMに行って、郵便局の通帳に1000円ずつ入金しました。コツコツ長く続けることは、わたしにとっては苦になりません。こどものころからのそんな性格です。
 ボーナスのときには、多めに通帳に入金しました。金額の数値が増えていくことが、生活していくことの楽しみでした。お金の増加は、つらい仕事に耐えることができる動機付けにもなります。
 へんな話ですが、顧客にガンガンどなられ続けていても、心の中で、(ああ、この人よりも、自分のほうがお金をもっているからだいじょうぶ)と思ったことはあります。
 毎週積立1000円貯金は、100万円たまったら、結婚10周年記念ということで、家族そろってハワイ旅行に行こうというのが夢でしたが、二人目のこどもが生まれたときに、妻が、制度が始まったばかりの無給の育児休業を、こどもが1歳になるぐらいまで取得して、貯めていたハワイ貯金は、生活費に充当して使い果たしてしまいました。でも、それはそれで良かったと思います。

 短編のタイトル、『三千円の使いかた』の意味が判明します。
 『黒船スーコさんの節約セミナーのセミナー料が、三千円です』というわけです。
 『8×12は魔法の数字』という本を出版されています。8万円×12か月です。1年で、96万円残ります。プラス夏と冬のボーナスで2万円です。合計100万円です。複利3%で運用すると将来、何千万円にもふくらむのです。その範囲以外のお金は、使い放題です!という黒船スーコ先生の激励があります。
 『8万円』というのは、支払いが義務である家賃相当額だなあと思うのです。家賃の支払いがなければ、自然に貯めることができる金額です。


『第2話 七十三歳のハローワーク』
 今回の主役は、御厨琴子(祖母。みくりや・ことこ):(貯金1000万円)です。銀行の金利目当てにお金を動かして、貯金を増加させていく方式の資産運用をしています。期間限定、特別金利の利用です。
 お金は現金で持ち歩きます。そうやって、手数料を払わなくてもいいようにして、お金をあっちの銀行、こっちの銀行へと動かして、お金を増やします。(じっさい、そういう人っています)。
 御厨琴子は、3年かけて、利子を貯めて、40万円以上するマッサージチェアを購入して愛用しています。
 夫は商社で働いて定年退職を迎えて、65歳まで子会社の役員をしていた。年金は、夫婦ふたりで、2か月に1回26万円ぐらいだった。夫が亡くなってひとりになったら年金は、月8万円ぐらいに減ってしまった。
 琴子はずっと家計簿をつけている。
琴子の母:大正13年(1924年)生まれ。家計簿が女性誌に登場したのが、1904年(明治37年)日露戦争があった。ちなみに、日清戦争が、1894年(明治27年)でした。

小森安生(こもり・やすお):御厨琴子の男友達。琴子より年齢がだいぶ下。近所に住んでいて、ホームセンターで安売りの花のかたまりをふたりで買って、割り勘(わりかん)にしたことが縁で友達付き合いをするようになった。
 季節に応じて、北海道や沖縄でアルバイトをする生活をしている。自由人。お金には汚くない男である。亡くなった築50年の祖母宅で、ひとりで暮らしている。おばあちゃん子だった。海外旅行が趣味。祖母宅を管理している。

御厨智子((みくりや)御厨琴子の嫁。夫は御厨和彦。智子は、御厨美帆と真帆の母親):習い事に熱心で向上心が強い。(貯金100万円弱)。英語とフランス語の学習が趣味

 御厨琴子は、御厨智子の依頼で、おせち料理をつくるための先生役を始めることになりました。生徒は、語学学習の生徒さんたちです。『おせち料理教室』です。1回だけの教室でしたが、御厨琴子に働きたいという気持ちが芽生えました。

牛尾みね:御厨琴子の母親。大正13年生まれ

三田(みた):十条銀座商店街にあるコンビニ十条店の店長

 後半はほろりとくるものがありました。
 他人さまから必要とされている。人の役に立つために、自分に、『役割』がある。
 そういう話でした。
 ほかに、『家計簿をつけること』の話がありました。戦前・戦中・戦後とか家計簿をつけ続けた主婦が、日本の復興を陰で支えてきたのです。

 御厨琴子は、十条銀座商店街に新規で支店としての店舗を開設する和菓子の、『湊屋(みなとや)』でおだんごを売る仕事につくことになりました。
 

『第3話 目指せ! 貯金一千万!』
 御厨家の三代目孫娘、高校同級生消防士男性と結婚した御厨真帆のお話です。
 結婚して、苦痛だった証券会社勤務を辞めて、専業主婦になって、3歳の娘佐帆がいてという家族構成です。
 なんだか、読んでいると、家計のつましさ、倹約、節約話がせつない。
 かなりきつい生計費です。
 働きたくなかったから結婚に逃げたという負い目の気持ちをもっておられます。
 そんな彼女が、同級生の婚約話がある食事会に招かれてみじめな思いをします。
 婚約者の結婚相手はお金持ちの家の坊ちゃんです。ダイヤの婚約指輪は、1.2カラットの大きさだそうです。御厨真帆は、婚約指輪は買わずに結婚しました。同級生と自分の財力を比較して、気持ちがへこむ御厨真帆ですが、話の後半で、盛り返します。結婚はお金ではないのです。結婚の基本は、愛情なのです。

御厨真帆の同級生友だち:小春(この人が今回婚約した話題の中心人物。婚約相手が幸太郎。新居は2億円のタワーマンションの部屋(夫の両親が用意した)。結婚式は高級ホテル、新婚旅行先はイタリア)、奈美(不動産会社勤務。未婚)、郁乃(小さな食品会社勤務。未婚)

 御厨真帆宅の1か月の家計状況です。
 旦那の給料:23万円。ボーナス
 4万5000円で生活する。
 食費:月2万円
 日用品代:5000円
 1週間に5000円で、4週間生活する。
 合計4万5000円
 さらに、
 だんなのこずかい:2万円
 家賃:8万8000円
 あとは、スマホ代(夫婦とも)、光熱費、生命保険料(夫のみ2000円)、予備費です。
 貯金:6万円
 貯金の目標は、1000万円です。用途は、こどもの大学費用がメインです。(現在までに貯めたのは、600万円ちょっと)

 節約の見返りは、お金が残るということです。

 最後に、商店街の和菓子屋で働き始めた祖母の話がチラリと出ます。家計簿をつけましょうねという話です。
 ちゃんと死ぬのにもお金がいります。祖母がそんな話をします。今の貯金額では、ちゃんと死ねないのです。先日観た、倍賞千恵子さん主演の邦画、『プラン75』を思い出しました。75歳になって、お金がない人は、本人の希望で、ガスを吸って死んで、焼却場でゴミとして焼かれるのです。(表向きは、ていねいに弔います(とむらいます)ということになっていました)


『第4話 費用対効果』
小森安生(こもり・やすお):御厨琴子(みくりや・ことこ)のお友達。もうすぐ40歳

れな:小森安生のバイト先(漁港)の二十歳の大学生。バイト仲間。小森安生に馴れ馴れしい(なれなれしい)。小森はそれを嫌がっている。手足が長い。髪の毛がふわふらしている。裕福な家の子ども。

本木きなり(もとき・きなり。30歳過ぎ。旅行ライター):小森安生が付き合っている女性だが、今はふたりの間に冷たい風が吹いている。本木きなりは、小森安生と結婚したいが、小森安生は結婚を考えていない。ひとりで気楽に生活していきたい。本木きなりは、職業的にも自立した女性で、お金がある。結婚したら、小森安生に、『主夫』になってもらうことを願っている。

 本木きなりと、井戸真帆(旧姓御厨)が会います。
 お金の話になります。
iDeCo:イデコ。個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん)。私的年金制度。税制で優遇される)
小規模企業共済:退職金の積み立て。税制上の優遇あり。
 
 う~む。小森安生はいいかげんな人間です。いわゆるバックパッカー(個人旅行をする人。ときおり現地でバイトをする)は、わたしは、逃げる人だと思っています。今ある困難に立ち向かって、今いる場所に根をはって、しっかりと生活していく人ではありません。
 178ページに、自分でもこうつぶやいておられます。『昔から、ちょっと気まずいことが起きると逃げてしまう……』

 小森安生は、小森と結婚したいという本木きなりに、自分はこどもはいらないと言って、結婚の申し込みを保留にしたがる(結婚せずにだらだらと付き合うことはよしとする)。
 そんな小森安生が、一度の浮かれた関係を、れなと、もったところ、れなが妊娠したという。れなが結婚を迫ってくる。
 バカヤローと怒る(いかる)本木きなりです。

 すったもんだがあります。
 この短編部分は、ほかの短編とは毛色が違います。毛色:様子、種類
 
 『費用対効果(投資した費用にたいるする利益)を考えていたら、こどもはつくれない』
 
 なんというか、世の中は、不合理、不条理、理不尽、不公平が当たり前なのです。
 正義をふりかざして戦いを挑んでも(いどんでも)、仲間はずれにされることが多い。
 不合理等であることを受け入れながら、気持ちに折り合いをつけて、知恵を出して、粘り強く、したたかに生活していくことが凡人としての技術です。

『第5話 熟年離婚の経済学』
 離婚時の財産分けの話です。
 女性は、離婚すると、離婚後の生活費に困ります。
 健康保険とか、介護保険とか、国民年金とか、いろいろ考えると、仮面夫婦でもいいから、あるいは、家庭内別居でもいいから、戸籍上は夫婦の形態を維持しておいたほうがいいということはあります。されど、もうぜったいに一緒にいたくないのです。

 男尊女卑、女を家政婦扱いするご主人がいます。
 家事や料理はいっさいしません。(仕事をしているからいいじゃないかというお考えです)
 料理は、妻か、自分を生んでくれた母親の仕事だと思いこんでおられます。
 困った人です。

御厨智子(みくりや・ともこ):井戸(旧姓御厨)真帆と御厨美帆の母親。夫といっしょに暮らすことがイヤになってきた。(さきほど書いた家事・料理をいっさいしない夫です)。子宮体ガンのステージⅠが見つかって入院した。

御厨和彦:御厨智子の夫。長女真帆と次女美帆の父親。

河野千さと(こうの・ちさと):御厨智子の親友。こちらは、本当に離婚する気です。夫との離婚目的のために、弁護士が入っています。千さとについて、結婚前は、航空会社の客室乗務員だった。

河野義明:河野千さとの夫。大手航空会社勤務。不倫をしている。相手は若いスッチ―(スチュワーデスの俗語、航空機客室乗務員)

河野千晶(こうの・ちあき):河野義明と千さととのこども。長女。大学生

 御厨和彦について(わたしが思うこと)
 自分が食べるメシぐらい、自分でつくれないのだろうか。米をたいて、おかずを用意して、そんなにむずかしいことでもなかろうに。食器洗いだって、やらねばならぬ。なんというか、昔の男なのね。

 御厨智子にがんが見つかって、開腹手術をして帰宅したというのに、対応が悪い夫です。
 妻を家政婦か道具のようにしかみていません。(こんな男とはいっしょに暮せません。こどもみたいな夫です。この夫は、妻がだめなら、実母にメシを用意してもらうのです)
 御厨智子がつぶやきます。『これからもずっと私はこの人のご飯をつくり続けるのだろうか……』

 わたしはときおり、お昼のラジオ番組で、人生相談を聴きながらお昼ご飯を食べているのですが、親子、兄弟姉妹、親族間で、うまくいっていないところがたくさんあるのだなあということがわかります。
 うわべでは、何事もなく、仲良しそうに見えている家族や親族でも、一歩中に入るといろんなトラブルをかかえておられます。
 まあ、どこの一族にも、トラブルメーカーになりそうな身内のひとりやふたりはかかえています。
 
 女性の、『更年期(こうねんき。女性ホルモンの分泌が急激に減少する時期)』の話になります。
 熟年離婚のときの財産等の分割割合の話になります。
 
 『……この人(夫)は料理もできないくせに私の作ったものを感謝もなく黙って食べているのか……』(御厨智子さんの夫に対する怒りは爆発寸前です。よく話し合ったほうがいい。話し合いをしないで、いきなり感情的になって爆発すると、とりかえしがつかなくなることがあります)

 (男と結婚するときは、できれば相手に自炊体験がある人を選んだほうがいい)

 そして、相談料1時間3000円のフィナンシャルプランナー黒船スーコに相談するのです。

 『離婚は人生の終わりじゃない。新しい人生の始まりなんですよ』(なるほど)

 ばかな、だんなだなあ。


『第6話 節約家の人々』
 最後のお話になりました。
 御厨美帆(みくりや・みほ、次女、未婚)の話です。
 付き合っていた大樹とは別れたそうです。
 今付き合っているデザイン事務所勤務の沼田翔平と結婚しようとしたら、翔平に奨学金という借金があることが判明しました。550万円(月々3万500円の返済。利子3%。返済期間20年。最終的に700万円以上支払うことになる)。親が勝手に翔平の名前を使って借りていたそうです。
 そして親は、返済は、翔平がするべきだと主張しているのです。さて、どうしようです。(そんなことができるのだろうか。虚偽の奨学金受け取りについてです。まあ、本人が返すべきでしょうな。奨学金のおかけで、美術大学を卒業できて、デザイン事務所に就職で来たのですから。しかし550万円は多額の借金です)。御厨家からは、美帆の結婚に反対する声が出てきます。
 <後日の追記事項:たまたまですが、札幌地方裁判所で、似たような事例で、日本学生支援機構が敗訴するという判決が3月21日に出ました。親がこどもに黙って奨学金を借りています。親が返済していたのですが、返済できなくなって、98万円の(未返済分+利子)返済金が残っています。判決では、こどもに返済義務はないという判決になっています。借りた奨学金は、こどもの学業以外の別の用途に使われていました(こどもの母親のがんの治療費にあてたそうです)>

栄太:沼田翔平の父親。翔平はじめこどもたちは、父親をお父さんとは呼ばない。『栄太』と呼ぶ。上下関係のない、ざっくばらんな家庭です。
加奈子:沼田翔平の母親

 全体で337ページあるうちの294ページまで読んできて思ったことです。
 第1話の『三千円の使い方』の部分だけで、この本の趣旨は語りつくされているのではないか。
 3000円の授業料で、お金の貯め方、使い方を学ぶ。むずかしいことがあるときは、関係者一同でよく話し合う。
 話し合って、いろいろやりくりをして、ベスト(最上級)ではないけれど、ベター(最善策)な手法を考え出して実行していく。
 個々の話は、じょうずにまとめてあります。

 御厨美帆(みくりや・みほ)はブログをやっている。
 御厨美帆がブログに書いた言葉です。
 『お金や節約は、人が幸せになるためのもの。それが目的になったらいけない。』
 
 わたしの意見ですが、結婚話を親は反対しないほうがいい。
 とくに父親は、娘がどんな男を連れてきても、反対してはいけません。
 『おめでとう!』と一言(ひとこと)言えばいいのです。
 それが父親の役割です。
 反対してこじれると、あとあと取返しがつかない状態に発展することもあります。
 結婚するのはこどものほうです。結婚するのは親ではありません。


『解説 「他人(ひと)は他人、自分は自分」と、あなたは心の底から割り切れていますか?』 垣谷美雨
 かなり力の入った解説になっています。解説が、ひとつの作品のような内容でした。
 ご自身の経済状況や性格・性質をからめながらリアルなことが書いてある文章です。
 東京は経済格差が大きい。お金持ちにとっては楽しめるが、そうでない人たちは家賃から苦しむ。
 学生時代は平等でも、だんだん格差ができてくる。学生時代の友人でも、だんだん経済的に優劣ができてくる。年齢を重ねてから、いっしょに旅行をしようとしても、旅行の内容で話し合いがつかないから、旅行には行けない。
 旦那(だんな)の稼ぎで、妻について貧富の差が生まれてくる。
 お金のことに加えて、男次第の人生を送らねばならぬ女性の立場がせつないというようなことが書いてあります。  

Posted by 熊太郎 at 07:29Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2025年04月11日

伝える極意 思いを言葉にする30の方法 草野仁

伝える極意 思いを言葉にする30の方法 草野仁(くさの・ひとし) SB新書

 著者は、テレビ番組、『徹子の部屋』にゲストとして出演されました。
 徹子さんとのおふたりのトークは、おふたりともお話上手なので感心しました。清流が流れるように会話がはずみます。
 草野さんが本を出されているということなので、取り寄せてみました。
 読み始めます。読みながら感想を足していきます。

(1回目の本読み)
 わたしはまず、1ページずつ、ゆっくり最後まで、ザーッと目をとおします。
 受けた印象として、著者は、『仕事人間』です。
 1944年(昭和19年)生まれ。81歳です。
 もうひとつ、教訓本という印象です。(教え諭す(さとす)。成功するためのマニュアル(手引き))
 ありのままでいく。かっこつけない。
 就職する前から、スポーツが好きだった。NHKを取材記者になるつもりで受けたが、アナウンサーとして配属された。自分は、スポーツアナウンサーになる道を選んだ。
 黒柳徹子さんとの関りあり。番組、『日立 世界・ふしぎ発見!』です。
 著者に、鹿児島放送局、福岡放送局で勤務した時代あり。その後、大阪、東京です。
 オウム真理教、地下鉄サリン事件の報道体験あり。
 仕事上利害関係がある人間とは、なるべくケンカはしないそうです。
 統一教会問題に関する記事あり。
 
(2回目の本読み)
 NHKを取材記者になるつもりで受けたら、アナウンサーで採用された。
 希望とは違っていたが、やってみたら自分に向いていた。
 (仕事というものは、人事異動による部署異動も含めて、自分には向かないだろうなあと思っていた仕事をやってみたら、案外自分に向いていたということは、じっさいにあります。まずは、やってみること。できるように努力することで、やっていけるということは現実にはあります。100%できなくても、60%ぐらいできたら仕事を継続していけるということはあります。仕事はチームワークです。お互いの得手不得手を組み合わせて助け合ってやっていくものです)

 本のレイアウト(構造)です。学生さん向けの参考書のようでもあります。
 第1章から第4章まであって、最後に、『特別収録(有名人とのこと)』があります。
 本の構造と内容は、理論的です。

第1章 著者の実体験や実例をもとにして記述してあります。項目は、『プロが「伝える」前にやっている10のこと』です。「準備」ですな。

 日本人は歴史的に話し言葉がにがてということが書いてあります。書くことは学ぶけれど、話すことは学ばないのです。自分の脳みそにあることを、言葉にして、口から声で表現するという習慣が乏しかった(とぼしかった)。同一民族であるから、『察する(さっする。言わなくてもわかる)』ことに期待していた。そういうことについて書いてあるとわたしは理解しました。
 対して、多民族国家である外国では、『対話』をしないとお互いを理解することができなかったので、会話技術が発展した。

 相手に会う前に、相手についての情報を収集しておく。さらに、相手と同じことを自分も体験しておくと話がうまくいく。話がはずむ。

 お勉強の本です。

 マニュアルに従って、AI人間(人工知能で動いているような人間)を目指すのか……
 人間は、感情の動物です。仕事中はしかたがありませんが、仕事を離れたときは、感情のままに生活したい、話したい。

 じっさいにあった事例を提示しながら考察が続きます。
 
クレバー:ずる賢い、抜け目がない。

 日常会話のレベルを高める。
 誰にでもわかる易しい(やさしい)言葉を使って、相手が瞬間的に理解できる話し方をする。
 
 (なかなかむずかしい。わたしが思う雑談は、思いつくことを、単語でぽつりぽつりと口から出していって、時間を埋めていくものです。
 案外、人って、自分の言いたいことは言いたいのですが、相手が話していることは聞いてくれていません。
 雑談は、気持ちの交流です。仕事で行う会話ではないのです)

『第2章 相手の心をつかむ「伝え方」ベスト16』
 この章はけっこう長い。61ページから146ページまで、86ページあります。

 「言葉をひらく」文章:聞いた瞬間に理解できる言葉、平易でわかりやすい言葉を使う。わかりやすい言葉に言い換える。
 
 成功談よりも失敗談をする。

 いろいろな有名人が出てきます。
 亡くなった人もいます。
 最近自分が思うことですが、自分が三十代始めだったころに、五十代、六十代だった人たちのほとんどは、もうお亡くなりになりました。生きていても、入院されているか、認知症などになられて施設に入られています。時の流れを感じます。
 
 会話の秘訣を簡潔にまとめてある本です。
 読んでいて思うのは、著者は、『仕事人間』として人生を送ってきた人です。
 108ページに、『「?」で終わる質問をする』というようなことが書いてありますが、その手法は、わたしは好みません。なぜなら、相手に質問をするということは、相手に答えを考えさせる負担を強いる(しいる。強制する)ということです。嫌がられます。
 わたしは、質問と回答を繰り返すパターンの会話をする人との会話は疲れます。だから、自分は相手に質問はなるべくしません。自分が思うことをだらだらと話します。

 こちらの本では、全般的に、上流階級の人たちとのつきあいでの会話について書いてあります。
 凡人にはムリです。能力の水準が、著者さんほど高くはありません。
 凡人は、たわいない言葉で、気持ちの交流をするだけです。自分の言いたいことは言うけれど、相手の言うことは、聞いているようで聞いてはいません。だれしも、マイペースです。

『第3章 「伝えた」後に実践したいシンプル4習慣』
 ザ・ワイド:テレビ番組。1993年(平成5年)から、2007年(平成19年)まで放送された。14年半の長寿番組。ワイドショー。著者が出演した。
 番組での思い出話が書いてあります。

『第4章 マスターに聞く! 伝える極意・10のQ&A』
 研修のテキスト本のようでもあります。
 だれもができることではありません。
 一定の学力水準がある人向きの本です。

『特別収録 マネしたいあの人の「伝える力」ベスト6』
 なんというか、頭のいい人の傾向として、ランク付けをしたがるというものがあります。
 順位付けです。
 学力テストの延長を人生で行っているような感じがします。
 そこに、今どきのこととして、AI(人工知能)がからんできます。
 アナウンサーの業務はいずれ、AIがやるようになる。
 人間は、『ブロードキャスター』を目指すとあります。
ブロードキャスター:個人が個性をもち、自分の言葉で情報に関する自分や組織の思いを伝えていく。人間としての能力を発揮する。分析と判断に自信と責任をもつ。

 本全体を読み終えて、人間界の知識人という上層部で生活している人についての、そういうこと(会話手法)が書いてあると理解しました。  

Posted by 熊太郎 at 07:04Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2025年04月10日

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 台湾の旅

出川哲朗の充電させてもらえませんか? 台湾の旅 テレビ東京 TVerとかネットもテレ東とか

感謝!9年目突入で“充電ザ・ワールド”台湾の旅!台湾のパワースポット“龍山寺”から大人気の“九份(きゅうふん)”通って絶景&グルメ街道100キロ!ですがロッチ中岡と佐藤栞里(さとう・しおり)も絶好調ヤバいよヤバいよSP

 台湾へは行ったことがあります。自分が泊まったホテルや、観光をした場所がいくつも映像に出てきました。なつかしい。
 台湾の人たちは日本人に優しい。行って良かったと今でも思っています。

 番組ロケはあいにくの雨天でお気の毒でした。
 佐藤栞里さんは、強い雨の中、お顔もずぶ濡れになりながら充電バイクを運転されました。たいしたものです。
 もう番組は終わってしまいましたが、『東野&岡村の旅猿』にも佐藤栞里さんはゲストで登場されていました。みなさん旅仲間、仲良しグループですな。
 わたしが観光で訪れたとき、たしかガイドさんが、今回のロケ地にある、『基隆(きりゅう)』あたりは、雨が多い地域ですとお話をされていたような記憶です。まあ、お天気ばかりは人間の思いどおりにはいきません。

 ロッチ中岡さんと出川さんは親友です。
 以前の充電バイク旅で、たしか、中岡さんのご実家を訪問されたシーンがありました。(奈良県橿原神宮あたりでした。(かしはらじんぐう))
 中岡さんは、愛知県の半田病院生まれと聞きました。わたしは、用事があってたまに半田市に行くので身近に感じます。
 先日テレビ番組、『徹子の部屋』で、ロッチのおふたりがゲストだったのですが、中岡さんの相方のコカドケンタロウさんのお話には胸を打たれました。まだ小学校低学年のころに、父親が銭湯に行くと言って家を出たあと、いなくなったそうです。父親は、今もどこにいるのかわからないような話でした。苦労されたと思います。あとは、ミシンが得意という話もでました。コカドさんは、まじめで人柄のいい人です。

 台湾でも、この充電バイクの番組が放送されているそうです。
 じっさいロケ中に、宿泊した宿で、この番組が放映されているシーンが出てきました。
 台湾にも充電バイクの番組ファンがたくさんいます。
 まあ、今回のロケでも、出川さんが、出川イングリッシュ(単語のられつとジェスチャー)で、意思疎通をしていくのですが、だいたい通じます。たいしたものです。
 
 台湾の交通法規では、車は右側通行なので、考えながら運転しないとあぶないです。少しだけ危ない場面もありましたが、チャレンジは成功しています。

 ごはんを食べに行く。
 火鍋(ひなべ):中国発祥の伝統的な鍋料理。スープにさまざまな具材を入れて食べる。
 台湾の人たちは、家で朝食は食べない。外食だということは聞きました。
 市場では食材を単品で買う。スーパーよりも市場が一般的なようすに見えました。
 それから、お客さんをお茶でもてなす。コーヒーやアルコールではありません。

 海外ロケで、スタッフのみなさんにはたいへんなご苦労があったと思います。お疲れさまでした。

 九份(きゅうふん。ジョウフェン、チウフェン)とか、十份(じゅうふん。シーフェン)の光景は幻想的です。
 出川さんたちが願い事を書いたランタン(天燈)が夜空に天高く上がっていきました。
 昔の日本の風景のようでもあります。
 わたしたちがこどものころ、昭和30年代から40年代(1955年~1965年代)を思い出します。
 日本人に好意的な地元のみなさんたちでした。

 BGMで懐かしい曲がいくつも出てきていい感じでした。
 三善英史さん(みよし・えいじさん)の、「母になれても 妻にはなれず……」という歌は、それこそ何十年ぶりかで聞きました。その歌がはやっていたころ、まだわたしは中学生ぐらいでした。
 
 ランタン飛ばしで、出川さんとスタッフのドタバタがおもしろかった。
 飛ばすランタンに願い事を書くのですが、出川さんが、「幸(しあわせ、幸福)」という字の漢字の書き方がわからなくなり、教えたスタッフも間違えて教えてしまい、『幸』じゃないこの世に存在しない漢字になってしまいました。  

2025年04月09日

ママはいつもつけまつげ 神津はづき

ママはいつもつけまつげ 母・中村メイコとドタバタ喜劇 神津はづき(こうづ・はづき) 小学館

 テレビ番組、『徹子の部屋』に、神津カンナさんとこちらの本を書いた神津はづきさんがゲストで出演されました。そのときには、すでにこの本を手に入れていました。番組を見てから本を読み始めました。本に書かれていることが、番組内で発言されていることに気づきました。本のほうが、内容が詳細です。

 まあ、すさまじい。おふたりの母親である中村メイコさんは、一般的な母親像とはかけ離れていました。中村メイコさんは、2歳から子役で人生を送られた方です。特殊な環境で育った方です。ふつうではありません。驚きました。

 中村メイコさんは、2023年(令和5年)のおおみそかに、87歳で亡くなっています。著者61歳で原稿を書き始め、62歳にな られている2025年の今年(令和7年)、この本を出されています。

 番組を観ているときに驚いたのは、中村メイコさんは、アルコール依存だったのではないかということです。
 娘さんおふたりは、(仕事の時を除いて)母親がシラフ(アルコールを飲んでいない)だったときの姿を家では見たことがないと発言されました。ストレスがあったのだろうか。
 車いす生活になっても、両足の間にお酒の瓶(びん)があって、両足で持ち上げて中身を飲んでいたそうです。びっくりしました。

 人間にはいろんな人がいるという感想をもちました。

 お金の苦労はないご家族です。
 中村メイコさんは、洋服や靴も大量に購入されたそうです。(それなのに、死後確認したら、品物のほとんどはなくなっていたそうです。自分なりに終活をされていた。高価なものも人にあげていた)

帯揚げ(おびあげ):着物の帯の上辺を飾る小物

 著者が4歳のときに、うちの母親は、よその母親とはなにか違う。変であるということに気づかれています。
 読んでいると、中村メイコさんは、常に、女優として、『演技』のことが頭から離れたことがない人だったということがわかります。
 本を読むことで、自分が知らない世界を知ることができると、この本を読みながら納得しました。
 著者は、父親である神津善行(こうづ・よしゆき)さんに相談します。中村メイコさんを普通のママにしてほしいと。神津さんの返答です。お母さんは、普通の母親はできない人だからあきらめなさい。パパもがまんするからあなたもずーっとがまんしなさい。
 著者はその言葉に納得してあきらめました。

 まあ、ちょっと考えられないようなリアクション(反応)をされる中村メイコさんです。
 中村メイコさんのモットー(目標、行動方針)が、『人生は喜劇的でありたい』です。人間界の暮らしにおいて、言動が常識を超越しています。
 中村メイコさんは、悲劇を嫌い、ユーモアを大事にします。

 有名人のこどもとして生まれての著者のご苦労があります。
 以前、歌手の森昌子さんが書いた本でも、息子さんふたりが両親に、小学校に来ないで欲しいと言われたと書いてあった記憶です。森進一さんと森昌子さんが学校にくると大騒ぎになるのです。

 こちらの本では、美空ひばりさんと、中村メイコさんと神津善行さんが、ひとつの大きなベッドで、固まって寝ておられます。
 まあ、一般家庭では考えられません。たしか、安藤サクラさんも、柄本明さんご夫婦といっしょにひとつのベッドで寝ていたことがあるとテレビ番組で聞きました。
 まだ、10代のショーケンさん(萩原健一)も中村メイコ宅のじゅうたんの上で寝ています。

 親ガチャという言葉がありますが、(生まれてくるこどもが家庭や家庭環境を選べない)、生まれてくる家を間違えたという言い方もあります。
 神津家の娘さんふたりは、あきらめたのです。ふつうのママを望めません。
 まあ、そういうことってたまにはあります。親をやれない親というのはいます。こどもにとっては不幸なのでしょう。
 こどもに不満があれば、自分がおとなになったとき、自分好みの家庭や家族を自分の力でつくればいいと思います。親には期待しないほうがいい。期待してもかなわないのですから。

(つづく)

 全体で303ページあるうちの、214ページまで読みました。
 なんというか。驚きの連続です。フツー(普通)ではありません。
 超越しています。だれもが体験できるような家庭環境ではありません。
 お金はある。だけど、母親は(中村メイコさんは)、母親ではない。女優さん(演技を演じる人)です。母親役の演技は、何パターンでも演じられるけれど、演じるだけで、中身も結果も伴っていません。女優は演じることができればいい。実際にそのことができなくてもいいと書いてあります。中村メイコさんは、仕事人間です。生まれながらの根っからの女優です。
 まあ、驚きました。そして、中村メイコさんには、ご自身が好きで、ちゃんと取り組んだ趣味というものがありませんでした。(仕事が趣味だったのかも)。おしゃれして食事に行くことと、買い物好きですが、趣味とはいえないようなやりかただったそうです。買い物は爆買いをして、買った品物を知り合いにあげるというやり方だったそうです。
 中村メイコさんがいっしょに遊ぶ友だちは、美空ひばりさんひとりしかいなかったそうです。
 でも、ご主人(中村メイコさんは23歳のときに結婚した)と娘さんふたりがいたので良かった。助かりました。

 中村メイコさんは、自転車に乗ることができなかった。

 ご家族の楽しみが、花札遊びだった。
花札:カードゲーム

 ふたりの娘さんたちには、まだこどものうちから、テレビや映画、舞台に出ている有名人さんたちとの出会いや交流があります。有名人の人たちもまだ若い。
 美空ひばりさん(昭和27年、中村メイコさんが18歳のときに、15歳の美空ひばりさんと出会っています)、黒柳徹子さん、草笛光子さん、浅丘ルリ子さん、伊東四朗さん、佐藤栄作さん(元総理大臣)、三島由紀夫さん、勝新太郎さん、小松左京さん、石原慎太郎さん、井伏鱒二さん(いぶせ・ますじさん)、今日出海さん(こん・ひでみさん)、郷ひろみさん(まだ16歳です。著者は9歳でした)、ゲイボーイの男性たちの訪問もあります。日野皓正(ひの・てるまさ)さん、森繁久彌さん、森公美子さん、松山善三さん(映画監督)、一の宮あつ子さん(女優)、笑福亭鶴瓶さん、阿川佐和子さん、黒柳守綱さん(黒柳徹子さんのお父さん)

生成りのタフタ生地(きなりのたふたきじ):そのままの状態の平織の生地(きじ)。光沢とハリがある。
手習子(てならいこ):師匠について習うこどものこと。
かもじ:婦人の髪に添え加える髪の毛
アイスペール:氷をいれておく専用の容器
今生の(こんじょうの):この世に生きている間

母方祖母(中村メイコさんの母親):若い頃、小劇場の看板女優だった。祖母が姉のカンナさんにかけた言葉として、『人生、やりたいと思ったことはやってみたらいいよ!』
まだ小学生だった姉のカンナさんは、東京新橋あたりで、サンドイッチマン(広告塔)をやりました。祖母が経営するレストランの宣伝でした。

母方祖父:若い頃、座付き作家だった。

 中村メイコさんの酒癖はいいとはいえません。ちょっとこわい。めんどうみるのはたいへんです。

ラブラブショー:テレビ番組。1970年(昭和45年)~1979年(昭和54年)。トーク番組がありました。

 『今日はママ、ハッスルしたよおー!』(「ハッスル」という言葉を何十年ぶりかで聞きました。一生懸命がんばるという意味です)

 結婚してから6軒の借家に住んだけれど、中村メイコさんは、次に住む借家の下見を一度もしなかった。(ちょっと考えられません。家に関心がない。舞台やテレビ局が家のようなものだったのでしょう)

 中村メイコさんは、テストの、「赤点(落第点(らくだいてん。単位をとれない。進級できない))」の意味を知らなかった。戦時中の召集令状、「赤紙」のようなものだと誤解していた。

 1977年(昭和52年)に、姉のカンナさんが、高校卒業後、ニューヨークへ留学した。15歳の著者と5歳の弟が両親と家に残った。カンナさんが、家族のまとめ役だった。いろいろとあります。
 1980年(昭和55年)に、著者がニューヨークへ留学した。語学学校に行ったら、藤圭子さんが学生という立場でいた。藤圭子さんは、29歳か30歳ぐらいだった。その後、藤圭子さんのご主人になる宇多田さんと三人で食事をした。ふたりは結婚して、宇多田ヒカルさんが生まれた。
 
 中村メイコさんについて、あとのご家族3人がいろいろ忍耐されています。
 家族って、お互いに助け合うものなのだということを再認識しました。

 ニューヨークでの豪快な買い物があります。
 コースターを30個、ペーパーナプキンを50個、靴下全色(20色)を5足ずつ。大量買いです。

 父である神津善行さんの言葉です。
 『うちは、子供に財産は遺さないよ』、娘ふたりがニューヨークに留学した時に渡す分のお金は全部使ったそうです。

(つづく)

 全体を読み終えました。
 なんというか、中村メイコさんは、すごい人です。ご家族もすごい。普通の家庭ではありません。
 中村メイコさんは大量飲酒者なのに、体に悪影響が出ていません。不思議です。肝臓ほか、内臓がぐちゃぐちゃになっていてもおかしくありません。でも、検査結果はOKなのです。そんなことがあるのだろうか……(飲んでいるふりという演技をしていたのだろうか)

 森繁久彌さんの、『屋根の上のバイオリン弾き』の話が続きます。たまたまですが、うちは、4月に愛知県芸術劇場である市村正親さんの、『屋根の上のバイオリン弾き』を観に行きます。楽しみです。
 
 中村家は、11人で生活していたことがある。場所は、世田谷区上祖師谷(かみそしがや)です。8LDK+スタジオ(地下、防音室)の母屋と4LDKの家で、ふたつの家は、地下でつながっていた。
 神津ファミリーが、両親とこども3人の5人
 父方の祖母(介護が必要)
 父方の祖母の付き添いさん
 母方の祖母
 母方の祖母の秘書
 お手伝いさん2人
 
 すっとこどっこい:久しぶりに聞いた言葉です。ばかやろう、ばかなやつだなという意味

 読んでいると、『これでも人間は生きていける』という勇気がもらえる内容です。なんだか、すごい!
 お米はとげない、洗濯機の使い方もわからない、そんな中村メイコさんです。う~む。女優と結婚する時には、勇気がいります。

 中村メイコさんは、超人(ちょうじん)です。(スーパーマン)
 まわりにいるご家族は、寛大でないと付き合いきれない。あきらめて、楽しむのです。
 
 最後のほうに、実は、ご夫婦は、こどもたちがいないところで、すさまじい口論のケンカを繰り返していたそうです。ご主人の神津善幸さんは、温厚そうに見えるけれど、実は、泣くわ、わめくわ、怒鳴るわだったそうです。
 夫婦にケンカはつきものです。先日読んだ本、『我が家の問題 奥田英朗(おくだ・ひでお) 集英社文庫』でも、新婚夫婦が、お互いを理解するために、すさまじい口論を展開します。感想メモの一部です。
 「お互いの本音をぶつけあう激しい夫婦ゲンカ(口論)が始まりました。お互いを理解するための猛烈な夫婦ゲンカです。そうやって、夫婦は、夫婦になっていくのです。人生の長い道のりを歩んでいくのです。理解したあとは、協力しあうのです」  

Posted by 熊太郎 at 06:58Comments(0)TrackBack(0)読書感想文

2025年04月08日

ナミビアの砂漠 邦画 2024年

ナミビアの砂漠 邦画 2024年(令和6年) 動画配信サービス

監督:山中揺子
俳優:河合優実(かわい・ゆうみ)、寛一郎、金子大地

 う~む。なんとも、よくわからない。
 よくわからないなりに、感想を思いつくまま落としてみます。

 タイトル、『ナミビアの砂漠』というのは、まず、ナミビアという国が、南アフリカ共和国のお隣で、同国の西北の位置にあります。調べたら、ナミビア=何もないという意味でした。つまり、この映画の主人公である、『みやま・かな』の生活とか人生には、何もないと受け止めたのです。じっさい、そんな感じでした。

 若い。出演者のみなさんが、若くて精神的にも、生活者としても未熟です。年寄りのわたしが観る映画じゃなかったと思いながらも最後まで観てみました。
 映像に出てくる男同士も女同士も楽しそうには見えるけれど、それはうわべだけのことです。

 ああ、またこれもタバコ映画か。(いいかげん、日本映画は、喫煙シーンの連発から卒業してほしい。日本映画界の映像描写内容は、時代遅れになっています)
 
 ホストクラブ、夜のあれこれです。

 こういう退廃的なものがうけるのか。
 退廃的(たいはいてき):不道徳、不健全な状態
 ばかだなあという感想しか出てきません。

 主人公のみやま・かなについてですが、彼女のまわりにいる人たちも同じようなものです。
 基本的な生活を送る能力がない人たちです。
 明るい未来が開かれていません。
 このまま歳をとっていく。(今はまだ若いからむちゃやれますが、歳をとっていくにつれて、みじめ、哀れ(あわれ)に老いていきます)
 こんな女のどこがいいのだろう。
 こんな男のどこがいいのだろう。
 まあ、変態(へんたい。変わっている。異常な行為・言動がある)ですなあというシーンもあります。

 河合優実さんのひとり演劇か。
 女性の生き方を浮き彫り(ぼり)にする。女性特有のことがらをアピール(妊娠とか、低賃金とか、劣悪な労働環境とか、男よりも不利なところ。男に依存して、男の稼ぎで食べていくために、男にこびるとか)する。映画のメッセージは、女の生きづらさ、男女の不公平、あと、国籍問題がからんでいるようです。(主人公の根っこに中国籍がある)
 
 ときおり、『死』を考える。

 シーンの意味がわからないことがけっこう多い。
 何をしているのかわからない。

 主人公女子は、脱毛サロンで働いている。
 自分で、こんなことをしても効果がないようなことを客に言う。
 解雇されました。

 主人公のスマホに、『ナミビア砂漠』の映像が映っている。映像には、ラクダ複数が映っていて動く。

<何をどう感じればいいのだろう。わからない。主人公たちは、社会生活の標準的な暮らしから、はずれた場所・空間で生活している>
 
 男はめめしい。男は女を支配したがる。
 同棲があります。ふたりでいても、ひとりがふたりいるような感じに見えます。会話やふれあいはありますが、ふたりで協力して生活を成り立たせている状態を感じられません。

 開始44分で、突然、タイトルが映像に現れました。『ナミビアの砂漠』です。

 映像を観ていても、自分の理解力が足りないのか、正確な状況を把握できません。
 主人公女子は妊娠したのだろうか? さらに、同時進行みたいな感じで、ふたりの男と関係をもっているから、どちらの男のこどもを妊娠したのだろうか? それとも、妊娠は、主人公女子の空想で、じっさいは妊娠していないのだろうか。
 いずれにしても、女性が恋をするときは、妊娠というリスクを背負っているということが強調されています。女性の生きづらさが表現されています。
 男からみれば、女性は、消耗品扱いです。商品とも言える。

 男の親のところへ結婚したいとあいさつに行く。
 そう思って見ていたら、どうも違う。
 まあ、付き合っているというふうです。
 しかもキャンプ場で、親族一同がキャンプをしている中へ入っていく。
 カップルは、場違いのようすもある。

 よくケンカをするカップルです。
 (ヒマなんだなと思いました。本気(ほんき)の家庭生活では、そうはいきません。小さなこどもがいれば、ドタバタ戦争状態です。こどもを預けて共働きともなれば、時間的な余裕などなくなります。こどもが病気になるとたいへんです。とにかく、忙しい。忙しくてケンカになる。結局、ヒマでも忙しくても、夫婦はケンカになる)

 登場人物たちはみな、メンタル的に病気ではなかろうかという気分になります。
 みんな病気で、コワイコワイです。
 男が言います。『おまえが(女性のほうが)はらませたんだよな!(男をだましてわざと妊娠したんだよな)』(わけがわかりません。通常、はらませるのは、男のほうです)
 女性差別意識に対する抗議の映画でもあります。

 女優河合優実さんの演技がじょうずです。めちゃくちゃ狂っています。
 男が叫びます。『ムリ! おまえは、ムリ!(オレのパートナーとしてはムリ)』
 
 ちゃんとした食生活をしてほしい。(そうしないと、心がすさみます)
 カップラーメンばかりを食べています。
 
 男の稼ぎに依存して生きる女になる。

 主人公女子が大暴れ(おおあばれ)する映画でした。豪快です。
 
 リモートで医師の診察を受けることができるのか。
 モバイル機器をもって受診する主人公女子です。保険証とか医療費の支払いはどうやってやるのだろう。まあ、やり方があるのでしょう。

 まあ、すさまじい暴力映画です。
 なんだか、カップルの夫婦ゲンカというよりも、兄と妹のきょうだいゲンカのようです。
 『(女子が男子に叫ぶ)おまえは、実家があるからいいな!』(女子には実家がないのか。女子は、家庭崩壊で実家がないようにみえますが、さいごのあたりで、中国にいる親族たちからスマホにビデオ通話で電話がかかってきます)。中国のファミリーは、食事会の最中で、にぎやかです。元気にしてるか~です。

 キャンプだホイの歌が流れました。なかなかいい選曲でした。
 キャンプだホイ、キャンプだホイ、キャンプだホイホイホイーーです。

 最後は、カップルの無言に近い食事シーンで、突然終わってしまいました。
 う~む。映画です。表現の手法はいろいろあるのですが、わかりやすい表現のほうがいい。
 それとも、わかりやすい表現で女性問題を扱った作品がすでにあり、ありふれているから、ユニークな(唯一の個性)手段を選択したのだろうか。  

2025年04月07日

コモドオオトカゲ (名古屋東山動物園にて)

コモドオオトカゲ (名古屋東山動物園にて)

 小学校の春休みに、三世代でぞろぞろと動物園へ遊びに行きました。
 昨年シンガポール動物園から名古屋に来てくれた、『コモドオオトカゲ』を最初に見ました。
 場所は、昔、イケメンゴリラのシャバーニたちがいた旧ゴリラ舎でした。(ゴリラたちは、現在は別の場所にいます)
 最初、展示室を観ても、コモドオオトカゲがどこいるのかわかりませんでした。
 太い木の幹が何本もころがっています。



 トンネルみたいになっている木の幹の下になにか動物の気配がありました。



 木の幹だと思っていたのは、コモドオオトカゲ君の本体でした。
 カメレオンのようです。周囲の風景と同化しています。身を守るためでしょう。
 じーっとながめていたら、こっちを向いてくれました。
 もっと厳しい視線をしているのかと予想していましたが、愛らしいつぶらな瞳で、やさしそうな性格に見えました。
 でも、口の中に毒をもっているそうです。
 全長2m70cm。体重約50kg。お名前は、『タロウ』で、年齢13歳のオスだそうです。
 別名が、『コモドドラゴン』で、生息地は、インドネシアの島だそうです。



 この日の園内は、桜の花がとてもきれいでした。花びらが輝いていました。
 熊太郎じいさんは、長いこと生きてきたので、桜の花は見飽きた気分でしたが、じっさいに今年もそばで見てみると、かなり美しい。あと何回桜の開花を見ることができるだろうかという年齢になってしまいました。

 まだちびっこの孫たちとジェットコースターに乗ったり、ボート池でスワン型ボートのペダルをこいだりして春の一日を楽しみました。  

Posted by 熊太郎 at 06:27Comments(0)TrackBack(0)名古屋市